ゲーム全体は一文に収まる。潜入し、回収し、帰還する。異界に入り、アノマリーと呼ばれる存在と戦い、持てるものだけを持って外へ出る。回収品が自分のものになるのは基地に着いてからで、だから「早めに帰る」という判断が、1回の潜行でいちばん重い決断になる。

ループを順番に追う

  1. 基地で準備する。 武器、アタッチメント、この潜行で使う物資を決める。異界から持ち帰ったアーティファクトはステータスを変える装備で、ここで身につける。
  2. 異界へ潜る。 異界は境界的な空間で組み立てられている。重力が反転した集合住宅、ねじれる廊下、増殖し続ける商店街。
  3. 回収する。 弾は乏しく、鞄はグリッド式。回収品に割いた枠は、物資に使えなくなる枠でもある。
  4. 帰還する。 帰り着いた時点でその潜行の成果が確定する。倒れたときに持ち歩いていたものは異界に残る。

4番目は設計思想そのものだ。問われているのは異界を制圧できるかではなく、制圧したうえで成果を持ち帰れるかどうか。だから無傷のクリアより、価値ある何かを抱えて帰るほうが難しい。

戦闘は回避ではなく弾き

回避専用のボタンはない。身を守る手段は位置取り、下がる判断、そして弾きに踏み切るタイミングだけ。敵は攻撃の前に予兆を出すので、弾きは反射ではなく選択になる。

頭を撃てば胴より通る。弾の乏しさが自然と丁寧な運びを要求し、精度に報いる形になっている。試遊した媒体は反動と揺れがしっかり効いていると伝えていて、銃ごとに挙動が違う。

スキル経済はMPで回る

玲緒奈は異形化スキルを12種持ち、これはサブツリーではなく成長の本流だ。どれもMPを消費する。シールドは5、弾きは15、重い攻撃は30以上。終盤のいくつかは消費0で、代わりに素材で制限される。

MPが戻るのは半異形化状態から。体力がしきい値を下回ると玲緒奈は部分的に異形化し、スキルが強まり、MPが自然に回復する。安全を火力に交換する設計だ。任意でも起こせる。攻撃入力を押し続けると体力を削ってMPに変換できる。説明は1回きりで、二度と戻ってこない。

体験版で確かめられること

病院の体験版は実験には十分な長さがある。スキルを一度も使わない回と、頼り切る回を続けて遊ぶと、MP経済の感覚が説明より早く掴める。

鞄が実質の難易度

グリッド式インベントリが、このゲームをシューターから判断のゲームに変えている。大きい物ほど場所を取り、弾も場所を取る。任意の回収品は、生き残るための物資と枠を奪い合う。

習慣は2つで足りる。入る前に何を取りに行くのかを決めること。素材か、報告書か、特定の武器パーツか。それ以外は埋め草と割り切る。もう1つは、帰り道で最後の枠を回収品で埋めないこと。出口で何かあったときの余白として残しておく。

撤退の判断

その潜行が元を取った時点で帰る。異界が空になるのを待つのではない。必要な強化を抱えていて弾が半分を切っているなら、次の部屋は当たりではなく、往復ごと失う賭けになる。

上手い潜行と長い潜行を分けるのはこの習慣ひとつだ。早く切り上げるのは常に損をした気分になる。それでも、たいてい正しい。このゲームの緊張はそこから生まれている。

報告書とサブミッション

アノマリーを1体倒すごとに、200件以上ある調査報告が1件増え、その生き物の挙動が記録される。サブミッションは玲緒奈の周囲を埋めていく。オペレーター、室長、研究者、警備責任者。

同じ異界で何度も死ぬなら、答えはたいてい銃ではなく報告書の側にある。このゲームは敵の仕組みをかなり開示してくれる。撃つのを止めて読む時間を取ればいい。

服とステータス

服は9部位に分かれ、合計300点以上。ステータスと見た目は別のスイッチなので、ビルドを保ったまま玲緒奈の姿を変えられる。

この分離は思ったより気前がいい。おしゃれを追っても数値が下がらないということだから、気に入った見た目に素材を使い、性能は手持ちの最良装備のまま、表示だけ切り替えれば済む。

難易度と操作

Steamのページには、難易度調整に加えて文字サイズ、カメラの快適さ、色の代替、字幕の設定が並ぶ。脱出の圧がきつければ、まず難易度を下げる。ループは変わらず、判断を誤ったときの罰だけが軽くなる。

PCでは再割り当てを前提にしたほうがいい。初期設定はコントローラー優先で、メニューはEscではなくTabとC。体験版ではボタン表示がXbox配列とPlayStation配列の間で入れ替わるという報告もあった。パッドのほうが素直に遊べる。

最初の1時間で買うもの、買わないもの

序盤の異界は、何もかも強化しようとしないほうが経済を早く理解できる。武器の強化は服の素材やスキル強化と同じ回収資源を奪い合い、序盤の強化ほど早く型落ちする。

目安として、実際に使っている武器を1つ強化し、軸にするスキルを1つ買い、残りは貯める。素材に期限はなく、次の異界では最初の買い物が安く見える。

見た目は最初のうち全部飛ばしていい。見た目と数値は切り離されているので、おしゃれがビルドを妨げることはない。後回しのご褒美であって、今の必修科目ではない。

部屋を読んでから戦う

部屋ごとに、その戦闘が弾に見合うかを見る。撃ち合う前に出口を確認し、見えている敵の数を数え、部屋の回収品が消費する弾を正当化するかを自問する。

アノマリーは攻撃前に予兆を出すので、敵で埋まった部屋も扉口からゆっくり処理できる。開けた場所に出ることを強いられるのではなく、扉口を離れるタイミングを自分で決めることになる。

宝箱と敵3体なら、戦う理由はたいてい宝箱のほうだ。敵3体だけで何もなければ、通り過ぎるのも立派な判断になる。異界は撃破数で採点しない。

潜行を終わらせる3つの失敗

出口の前に鞄を埋める。 最後の2枠は誤差のための余白だ。出口を確保してから拾う。

異形化状態をボーナスだと思う。 体力が低いとスキルは強くなりMPも戻るが、次の一撃で終わるということでもある。立て直しの仕組みであって、戦術ではない。

報告書を読まない。 敵の挙動はゲーム内に書いてある。同じアノマリーに何度も殺される人は、答えをすでに解放したまま読んでいない。